ブーツを履いて

町を歩きました。

たどり着いたのは

３番ホーム

黄色い線の内側には

「決まりだ！阿呆深層水」

の号外新聞。

そして外側には

大きな塊。

「動かないと抜けません」

卑猥な言葉

拡声器で高らかに

おじさんが叫んでいるのが聞こえました。

ブーツは外側へ。

その塊は

宝石にはならずに

花になったので

「汚い花だ」

誰かがつぶやきました

声、声声。

右も左もないと

上も下もないと

中流意識をまだ気取るつもり？

平成のブルース

平静を装う

外側では

言葉がナイフとなり

ブーツを刺しました。

あの人は今が嫌いだけど、私は今もあの人も好きなので

ブーツであの人に逢いに行く途中。

だったのに。に。

右も左も上も下も

ないのではなく

解らないのだ

進むしかない

前へ。

ブーツに刺さったナイフは

そのまま真っ赤な花になりました。

塊、塊。左、右。

阿呆。

曼珠沙華。

今これから

秋です。

嫌わずに

空を見てみて。

とっても素敵な空なんです。